毎度ながら、冷麺は発注しつつ、その他何を食すか迷いつつも
お店のサービスマンのアドバイスなど聞きつつ発注内容を決める。
この店は味付けを変えて少ない素材で多種類のメニューを見た目増やすのではなく、
いろんな食材で豊富なメニューを構成しているので、
色々目移りして中々決められないのである。
ビールで喉を湿らせ、多くの皿を並べられそうな広々とした席でくつろいでいると、
お店お奨めの海老と青海苔の炒めものが出た。
海老のフリットと四万十川の乾燥青海苔といった雰囲気の大きな青海苔が
ふんわり絡める様にいためてあるのだが、
青海苔の香ばしさと海老の風味のしっかり効いた一品。
油っぽくないさらりとした青海苔を海老と共に欲張ってほおばりすぎると、
若干口の中が脱水状態になるのだが、
そこにビールをあおるとさっと落ち着いて一興。

麻婆豆腐は絹ごしの豆腐を用いて食感滑らかでいながら、
唐辛子系の冷たい辛さがそのさらりとした感じを助長する。
また中国山椒の風味も感じるが、口に山椒の強い風味が残るというよりは
鼻を抜けていく香りがあって美味しい。
山椒で口の周りがひんやりするものもあるが、そういった感覚はなく、
当然辛いが口当たりの良い麻婆豆腐である。

特筆すべきは「白きくらげのおこげ」で、フカを戻す時のスープがベースという、
とろみのついた白濁したスープに見た目に美しい白きくらげが沢山入ったものを
おこげにざっとかけて、頂く一品。

スープのやさしい奥行きあるおいしさと、おこげの米の揚げた香ばしい
香りがこの上ない旨さを形成していてたまらない心地になる。
そこに白きくらげはへなへなな食感だけでなく、ぷりっとした噛み心地もあり、
見た目美しく、食べておもしろい。
そこにさくっとしつつトロッともした香ばしいおこげの食感も加えられ、
もうちょっと、もう一口と求めて食べてしまう。
〆にはいつも待望の海鮮冷しをさらりと頂き(詳細は5月12日)、
全てを堪能したという満足感で一杯になる。
最後に頂いた杏仁豆腐は甘味の苦手な蚯蚓でも美味しく頂ける一品で、
梅の仁のような木の実の味を一瞬感じるさらりと美味しい味で、
ミルクと甘味でお茶尾濁さない品のいい印象をうける。

この夏この冷麺を食べにだけに何度下北沢に足を運ぶのか、
想像がつかないが、人と連れ立って、色々な皿を楽しみつつ、
海鮮冷麺を〆に食べる事が出来ればと感じた今日この頃であった。