吾輩は蚯蚓である。夜を昼を様々な街に縦横無尽に出没するたくましい生き物である。
根っからの外食好き"蚯蚓"の食生態フードダイアリー。

2005年09月27日

東京・浅草(ロシア料理)〜下町老舗洋食風のうまいロシア料理

本日昼にロシア料理を頂き候。

浅草はロシア料理店が軒を連ねている街として有名であるが、
蚯蚓にとっては浅草では1件しか入ったことのない
あまり馴染みのない類の料理である。

祖父の墓参り帰りにどじょうでも頂こうかと国際通りの田原町寄り界隈を
てれてれ歩いていたところ、店構えはもう年期の入った高級喫茶店風の、
けれども、どことなく美味しい店である風格の漂うロシア料理屋を発見。

昼のコースが3000円弱で、値段だけ考えれば、いささか値が張るが、
色々料理を楽しめる割には安価な印象を受けたので、入ってみることにした。

店は2階が個室、1階が全部で30席弱ほどの大きめの店で、
入口の二重扉の重厚な雰囲気とは裏腹に、
よれたTシャツ姿の下町風情の親父が一人で食べに来ていたり、
と服装を気兼ねすることなく入れるところのようである。

早速2400円のロールキャベツのコースを発注。
しばらくして、サラダが出された。
オイルとビネガー等を皿の上からさっとかけてすますのではなく、
きちんと葉野菜にからめて出されており、仕事の丁寧さを感じさせる。

タイミングを見計らわれながら、次にボルシチが運ばれてきた。
このボルシチが一見するとキャベツやトマトのふんだんに入った、
単なるミネストローネに見える。
しかしビーツのしっかり入った赤味の鮮やかなトマトのスープを
一口頂くと時折サワークリーム系の酸味が来たり、トマトの酸味がきたり、
この豊かな酸味とキャベツや根菜の甘味が混ざって複雑な風味になったりと、
ベーコン味でお茶を濁す類のボルシチとは一線を画した美味しい一品である。

浅草 ボルシチ.gif

次の海老をまいたカニクリームコロッケは、
中のホワイトソースにカニの身とタマネギがふんだんに入っており、
一口食べるとタマネギの旨味と甘味がぐっときてそこにカニの身の
まったりした旨味が追いかけてくる。
マヨネーズソースでコクが一層増し、トマトソースの酸味が口を飽きさせない。
付け合わせもインゲンや人参が柔らかく
水分をたっぷり含んだ仕上がりをしていて、どことなく懐かしい、
家庭的な美味しさを感じる一皿。

浅草 カニコロ.gif

目当てのロールキャベツは、ボルシチのスープに浸された
キャベツラザニアといった風貌で、
牛挽肉がキャベツの皮の間に挟まれている。
このキャベツの皮が酢漬けになっているのか、
滋味深い酸味がこのロールキャベツを頂く間中ずっと続き、
飽きることなくどんどん頂けてしまう。

浅草 キャベツロール.gif

デザートと共に出されたロシアンティーは特筆すべき美味しさで、
自家製のイチゴジャムなのか、甘味が控えめでいて風味豊かなため、
沢山紅茶に入れても甘味の苦手な蚯蚓も別段気にならない。
むしろそのイチゴの風味と紅茶の香りの織りなす香りに心地よさを感じ、
食後のひとときをより一層豊かなものにする。

浅草 ロシアンティー.gif

全体的な雰囲気としては繊細な皿とは異なるが、
滋味深い酸味やタマネギの旨味の心地よさ、イチゴの心地よい風味など、
一皿に必ずポイントとなる美味しさがぐっと詰まった力強く、
暖かみのある料理であった。
かねてから理想の洋食を求めて人形町〜銀座を彷徨っていた蚯蚓であるが、
この力強く暖かみのあるロシア料理は洋食に相通じるものがある。
浅草のロシア料理や洋食の食べ歩きに興味が湧きそうな今日この頃である。

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2005年09月15日

東京・浅草(フレンチ)〜下町のおいしいフレンチレストラン

本日昼に奥浅草で久しぶりに洋な物を頂き候。

このところ下町では寿司やら蕎麦ばかり頂くことの多い蚯蚓であるが、
平日ののどかな昼下がりに奥浅草で良い匂いを漂わせていたため、
店を探す足を止め、入ってみた次第である。

中は黄色い壁がなんとも心地よい、落ち着いた雰囲気の店で、
サービスマンの青年がメニューを丁寧に説明してくれる。

好物のホロホロ鶏のローストが丁度あったので、そのランチコースを発注。
スープを加えることが出来るということで、それも付け加えた。

魚のすり身とピザソースのようなトマトソースの冷たい突き出しは
はんぺんにピザソースをかけて焼いて冷やしたような味わい。
繊細さというよりははっきりとした旨味でパンチの効いた
軽いビールが飲みたくなる一品。

浅草 仏つきだし.gif

サラダはフェンネルなどのハーブも入った、風味豊かな一品。
小降りのパンは伸びやかな皮の胚芽系のパンで、
一緒に出されたオリーブオイルと実に良くあって、
素朴でおいしい。
サラダの酸味とこのパンで朝食を日々迎えたい気分になる。

浅草 仏サラダ.gif

スープはトウモロコシの冷たいスープで、
コーンの粒のしゃりしゃり感が残る甘い風味の中に時折、
ブラックペッパーの潰した粗い粒ががりっと来ると
胡椒の香りとスパイシー感で、口がリフレッシュされて、
飽きずに頂けるベーシックな一品。

浅草 仏スープ.gif

メインのホロホロ鶏のロースト皿は、ピーマンの青い香りが皿の上にまず乗っていて、
表面の皮目をカリッと焼きながらもそのすぐ下からは肉汁と脂がぶわっと吹き出す
ジューシーな仕上がりでなかなか旨い。
付け合わせの野菜がきちんとした仕事で、オクラやピーマン、スナックえんどう、
カブ、ヤングコーンなどいずれもその野菜が本来持つ甘味が食感を損なうことなく
引き出されていて気分良く鶏と頂ける。

浅草 仏ホロホロ鶏.gif

超一流の一腕凝った新しい味覚を感じさせる仕事ではないものの、
野菜の始末など見てもひとつひとつの基本のきちんとした
始終安心して頂けるプロの丁寧な皿のつくりで値段の割の美味しさは十分といえる。
浅草という下町のはずれにぽつんとある隠れ家のようなこの店は
昼間にビールの飲める機会を見計らって、食べに来たいところである。

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2005年04月28日

浅草 〜粉のおいしさが光る手延べラーメン (ラーメン)

本日散策中に美味しそうなラーメン屋をみつけ入ってみることにした。
ラーメンの「美味しそう」な店構えというと、最近看板や外装に凝ったものが目立つが、
そういった飾り気はいっさい無く、どちらかというと、からからと音を立てる
アルミサッシの入り口宜しくといった、無愛想な風体なのだが、
麺打ち場が通りに面していて、
ちょっと背を丸めて麺を打つ料理人のこなれた姿がおいしさを連想させる店である。

早速ベーシックにラーメンと餃子を発注。
あれよという間にまずはラーメンが来た。
至って外観普通のラーメンである、すすりはじめると分かるのだが、
太いもの細いものが入り乱れて入っており、
細いものはそうめんほど、太いものは讃岐うどんほどにばらつきがある。
しかしそのゆで具合を意に介さず頂くと、ゆであがりの差から出る麺の甘みや食感の段階を
全て一気にすすることになり、奥行きが出る。

浅草 てのべラーメン.gif

飾り気無いしょうゆ味のスープがこの麺の美味しさをじゃましないため、
にゅうめんのようなうどんのように麺のコシやらうまさを感じつつ、
ラーメンとしてその麺を頂くという不思議な感覚に包まれて、どんどん食べてしまう。
以前食べた馬喰町のラーメンと比べると、麺を作る粉の旨さが食べた後に感じられる。
口に入れた瞬間、旨味があって美味しいという麺ではなく、
うどんやそうめんのそれと同じように、
食べた印象としておいしさが感じられるといった類である。

餃子も浅漬けにした風な味わいを感じる野菜類が具の旨味の一役を担っており、
おいしくいただける。

浅草 餃子.gif

市場が成熟して凝ったラーメンが多い中、
昔ながらのおいしさよりも更に一昔前の素朴なラーメンを堪能し、
非常に心地よいひとときであった。
担々麺も一見変わった風で興味深い。次回はこれを発注してみたいと思う。
posted by 蚯蚓仙人 at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月22日

浅草 〜やきかつとはこれ如何に? (やきかつ)

本日昼に松屋デパート裏の界隈を散策中にやきかつたる料理を出す店を発見。
店構えは老舗浅草のイメージより、一昔前のビジネスホテルやレストラン風の雰囲気。
ショーケースには元祖やきかつの説明が書かれている看板があり、
「西洋料理の手法を取り入れ、鮮度の良い少量の油で揚げる」
といった類のうんちくが書かれている。

いささか時代遅れ感のあるたたずまいでありながら、元祖と銘打ち頑なにその皿を出すとは、
なんとも粋な一面を感じ、入ってみることにした。
入ると熊の大きな木彫りが印象的なフロアに、
これまた昔の社員食堂の従業員が着そうな青色の制服を着た、体格の良い女性達が、
給仕を行う。

目当てのやきかつの定食は3つのランクに分けられており、
鉄板で出て来るという「特選」を発注。
ごはんやサラダなどが出されて程なくして皿が出てきた。

手慣れた様子で、鉄板にソースをかけ、じゅわっとした音と同時に
ソースが香ばしさを放つのだが、
その際服にソースが飛ばないように紙でガードする指示をてきばきと施される。
早速一口頂くと、厚めの肉を使ったヒレとんかつのイメージ。
普通より白っぽく、低温でゆっくり揚げたと思われる衣は鉄板にのせて
暫く経っていることもあり、さくっとした感じはあまり無いのだが、
外のうんちくの通り、確かに肉が水分を失わず、肉の旨味を程良く感じる。
とんかつの美味しさの概念を捨てて、はじめにかけたソースが衣をしっとりさせた頃に
おもいっきりほおばってご飯をかっ込むとおいしくいただける。

浅草 やきかつ.gif

ご飯や豚汁に加えキャベツサラダもおかわり自由とあって、しっかり頂ける。
また特選のデザートに付くアイスを甘いものが苦手とあって断ろうとすると、
果物に変えてくれる臨機応変さも心地よい。
外観は時代から取り残された感が強い店であるものの、
そこから想像されるちゃちな味とは異なる庶民的なおいしさを楽しめるお店であった。
posted by 蚯蚓仙人 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月18日

浅草 〜奥浅草の洋食を食らう (ハンバーグ)

本日昼に奥浅草でハンバーグを食らい候。
言問通りより北側、浅草5656(ごろごろ)会館裏手の一帯は、
モザイク状に小料理屋だの一杯飲み屋だの寿司屋だのと飲食店が存在する地域である。
浅草駅からも三ノ輪からもいささか遠いこの地域は、それでも食べに来たいという店が
ひっそりと存在しているのではないかという気持ちで、蚯蚓は目下散策をしている地域である。

比較的有名な釜飯屋の手前の喫茶店風の店が良い匂いを漂わせていたため、
入ってみることにした。
中はカウンター席と奥にテーブル席が2つほど。
手際の良いおかみさん一人で給仕を行い、主人が厨房で料理をするこぢんまりとしたところ。

タンシチューやハヤシライスが実に美味しそうなのだが、
人形町から端を発して色々食べているハンバーグを発注。
程なくして皿が来た。

目玉焼きの下に隠れるハンバーグは普通のイメージより一回り大きく、
一口食べると合い挽きの挽肉の食感がしっかりくる。
デミグラスソースはさらりとしていながら、
肉に絡ませていただくとくどくなく程良いコクで頂くことが出来る。
ライスは別料金で発注するのだが、それと共についてくるぬか漬けが実に美味しい。

浅草 卵バーグ.gif

正直ハンバーグは蚯蚓の理想とするものとは異なるものの、
さらりとしている割に味の深みを感じるソースの感じからして、
隣客の発注するハヤシライスやらタンシチューが美味しいのかもしれない。
次回この店を訪れるときは、それらのメニューを試してみたいところである。
posted by 蚯蚓仙人 at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月08日

浅草 〜刺身も焼き魚も一級の美味しさ (小料理)

本日夜に浅草で美味しい魚を堪能す。

浅草は蚯蚓好みの店を見つけるのが非常に難しく、当たり外れを繰り返しつつ、
丁寧に歩いて店を探している街であるが、この店はそうやって見つけた隠れた名店である。

浅草のすし屋横丁から程近いところにあるこのお店、水車が印象的なこぢんまりとした
店構えで、中の席の作りもなかなか凝っていて風情がある。

この店はどの皿を頂いても、見た目に綺麗で味も実に綺麗で美味しいのだが、特筆すべきは刺身である。
今回は旬の桜鱒が入っていると云う事で、それを入れた刺し盛りを発注。
また蚯蚓の好きな赤なまこの酢の物も併せて発注した。

浅草 刺身.gif

まずお通しの河豚の煮こごり。
煮こごりというと醤油で黒っぽくしがちであるが、この店の煮こごりは薄ベッコウより透明に近い、
淡い透き通った色で、ほのかに生姜が効いた味わいは熱燗とともにいただくと、
その熱で煮こごりがほろりととろけ、一層風味がたって美味しくいただける。
赤なまこも噛むほどに海の潮の味わいがして、そこに程よい甘酢の感じがしてたまらない美味しさである。

桜鱒はサーモンのようなしつこい脂感がなく、口当たりはさらりとしていながら、
旨味と甘味が濃厚で味わい深い。
ただし、それが口の中でふわりと消える実に不思議な感覚で、形容しがたいがともかく美味しい。
このお頭の焼き物もサーモンを焼いたというよりは香り良く旨味の強い鯛を食べているような
感覚になる。
その他の赤イカの刺身や真鯛も旨味充分な状態で出てきてこれを本わさびで頂けて絶妙に美味しい。

浅草 桜鱒かしら.gif

黒豚の味噌漬けを焼いたものも大根と頂くと塩の角がとれて、
旨味と甘味と味噌の風味と塩気がやんわりと来て日本酒と実に良く合う一品になる。

浅草 黒豚焼き物.gif

このお店、客席数もそれ程ないのでぶらりと行くのは心もとないところがあるが、
これほどの質の高い魚を綺麗にさばいてゆっくり食べさせてくれることを考慮すれば、
予約の手間など惜しまずに席を取って、足を運びたくなるほどの良さがある。
こういったお店に出会えるから、街歩きをしたくなるといっても過言でない浅草の
味に優れた名店である。
posted by 蚯蚓仙人 at 18:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 浅草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月19日

浅草 〜火鉢を前に一杯引っかけたくなる鰻屋 (うなぎ)

本日蕎麦を求めて浅草に来たのだが、結局厳寒の中散歩をし、鰻重を食す。

先日人形町の寿司屋のおやじが浅草雷門前の道の蕎麦は中々、という話で出かけた次第である。
しかし土曜日ということも手伝って、普段行列など出来ていないであろうそば屋に数組並ぶ客がいた。
厳寒の中ここまでして待てない江戸っ子気質の蚯蚓は、気持ち新たに昼食の店を探す散歩に出た。

歩いてみると雷門通りから蔵前側のブロックに、気になる店が結構散在している。
何周かその界隈を歩いて、結局たなびく暖簾にいつもの通り惹かれて鰻を食すことにした。
入ると、机に埋め込まれた囲炉裏様のものがあり、鉄瓶から湯気が出て暖を採れる。

浅草 お品書き.gif

よくある鰻重や蒲焼きのみの店とは異なり、暖簾のごとくにぶらさがる短冊に
「こんにゃく」やら「みそまめ」、「もずく酢」等、
ちょっとしたつまめるものが綴られており、極めつけには「うなぎ酒」というのがある。
白昼から一杯引っかけたい心を鬼にして、こんにゃくと鰻重の中を発注。

こんにゃくは薄目の田楽風に切られており、醤油の香りがたつ出汁つゆが印象的で、
山形の玉こんにゃくを思い出させるような味わいである。
片手寂しくこんにゃくをゆっくりつつき、外の寒さも忘れようかと言うときに、鰻重が来た。

浅草 こんにゃく.gif

僅かにうぐいす色をした山椒は若い青みがかった香りのする香ばしさがあり、
少し脂分が強いふっくらとした鰻に通常よりも多めにこの山椒をかけて香りで脂っこさを断ち切り、
これにかこつけて一気に食べると美味しくいただける。
50円の肝吸いもたっぷりの量で、これらを食べ終えると実に腹がふくれ、
山椒の効用か体が暖かくなり軽い眠気に襲われる。

浅草 鰻重.gif

鰻の質や仕事が一級とは言い難いが、さすが浅草といった実に落ち着く内装で、
時を忘れて鰻を堪能することが出来る。
また山椒は遠慮気味にかけて、鰻の臭み消しを兼ねた引き立て役程度で頂くと塩梅がよいと
思っていたのだが、山椒の青い香りの強さに引っ張られて鰻を食べて旨い、
という一見アンバランスな食べ方で美味しくいただける鰻重に新鮮さを感じた。

鰻重は米、タレ、鰻、山椒の一見単純な組み合わせのものであるけれども、
そのこだわり方や食べ方によって、その先にある味わいに相当に違いの出る食べ物であることを改めて強く感じた。
それはともかく、鰻を比較的リーズナブルに堪能できるので、今度は吸い物の香り漂うこの場所で、
うなぎ酒と白焼きなどで一杯引っかけたいものである。
posted by 蚯蚓仙人 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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