新しい店の開店が目白押しである。
と言いつつ、本日は人に連れられ、もうずっと古い方に分類されるであろう
貝料理の専門店へ足を運び候。
いずれ記事にする予定であるが、茅場町や最近では神田にも新店を構えた
貝の専門店に蚯蚓はたまに足を運ぶ。
その会話から端を発して、この店へ行く事になった次第である。
少し前になるが、オイスターバーがアメリカから上陸し、
カキの洒落た店舗が増えたこともあったが、
今回の記事はその類の物とはいささか異なる。
はまぐりやあさりは勿論の事、カキやホタテ、ミルなど
一般のいわゆる貝全般をさまざまな料理にして出す、
どちらかというと日本酒や焼酎の合う和風仕立てな品を出す店である。
1階は10人弱のカウンター席のみで、2階は座敷席である。
この2階へ通されると、ここが新宿三丁目である事を忘れ、
どこか温泉地の小旅館へ来たような心地にさせる何とも不思議な
居心地の実に良い小ぢんまりとした座敷席である。
まず、お通しの如くに蜆の特有の青みがかった白濁した出汁エキスを
日本酒のグラスで出され、一口でさっと頂き飲む酒に備える。

早速今日薦めの刺身の盛り合わせに赤貝を足してもらい、ビールを発注。
程なくして刺身が来た。
ホタテは甘味とむっちりした食感が心地よく、香りも品良く美味しい。
白ミルも磯の香りがぐっと来つつ、歯ごたえ良く
日本酒との相性は言うまでも無い。

焼きはまぐりもこの貝の育ちの良さを感じさせる、
海草の甘味のような旨味たっぷりの味わい深い美味しさに酒が進む。

〆のあさりご飯と味噌汁もよく海ぺたで食べたりする、
潮気の良さでおいしさを感じる旨さというより、
あさりが沢山美味しいものを食べたところで、
漁師に獲られて調理されたような滋味深い甘味を感じさせる。

そのほかの陶板焼き風のものなどの料理も全て、貝の旨味の特徴を
一層際立たせる品ばかりで、実によい。
気持ち一皿辺りの価格が3丁目にしては高いところであるが、
値段なりの美味しさを堪能できる実力ある店である。
今度記事にする折は、名物の貝を使った餃子等のこの店ならではの
皿を特筆したいところである。
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