先日蚯蚓の飲み仲間にこの店がテレビで紹介されるというメールが
来たとの事で、混んでしまうなら今のうちに行っておこうと思い立ち、
足を運んだ次第である。
そもそも蚯蚓がこの店に惹かれたのは1つの看板である。
新宿三丁目はゴールデン街同様、最近改装して、
小ぎれいな店構えの店が増えており、新宿の雑然とした風情が失われつつある。
そんな中、手製で店の雰囲気が感じられるこのたて看板が目に留まり、
店に入ったのが最初で、カラー電球が怪しい光を灯す暗い内装のカウンター中心の
バー風の店であるが、ギネスやら酒がノーチャージで飲め、
以来ふとしたときに立ち寄っている。

この店の蚯蚓の好物はモヒートとヤム芋を使った料理である。
本日はその好物のモヒートと新たにヤム芋と野菜を煮込んだ料理を発注。
店はラッキーさんという自称なのか本名なのか不明なナイジェリア出身の
男性が料理や酒を一人で作り、運びは感じの良い女性が行う。
程なくしてモヒートが先行してきた。
ラッキーさんのモヒートはバカルディのラムベースなのだが、
底の分厚いグラスにミントの葉を入れ、
バースプーンでがつがつと葉を潰し、香りを出す。
また、葉の雰囲気が洋菓子にある類の葉脈のはっきりしたものとは異なり、
丸っこい葉脈のあまりない葉の様で、興味がそそられるところである。
ともかく甘すぎず、レモンの果汁が前に出すぎず、
ミントの甘くてサッパリした香りとラムがガツンと来るモヒートは
しっかりとしていて、旨い。

次にヤム芋料理が来たのだが、非常に辛い。
辛さの中に、野菜やら芋の甘味が出るのだが、
折角のモヒートの心地よさが半減してしまい、酒をビールにするか、
通常頼むもっちりさせたヤム芋とシチューにしておくべきだったと
いささか後悔しつつも料理を堪能。
この日初めて知ったのだが、ラッキーさんは太鼓を叩いて客とセッションする
らしい。客は皆めいめい上手に叩いてラッキーさんとセッションするのだが、
リズム感の無い蚯蚓はてんでダメである。
それでも上手にらしくまとめてくれるラッキーさんの腕は凄いところである。
そうこうするうちに、見知らぬ客とも会話が弾んで、ついつい長居してしまう。
そんなやんやと楽しめたり、軽く酒を飲める店であるが、
テレビ紹介により、混雑しない事を願いつつ、
しばらく日が経ってから、様子を見に足を運ぼうかと思っている次第である。
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