東日本橋駅の馬喰横山寄りの階段を上るとすぐの中華料理屋である。
人形町界隈では今ひとつぴんと来る店が見つけられず、
げんなり気味の蚯蚓も今度こそと思って、店のお奨めの塩ラーメンのかわりに、
担々麺を発注。程なくして麺が来た。
よく見かけるものより一回りぷっくりとした松の実はこんがりと良い色に
空炒りされて、香ばしい香りを放っている。
早速一口頂くと白葱の香りがほんわりときつつ、胡麻の香り。
麺を噛むと松の実の香りがしっかりときて、さらにその実の甘味と麺の甘味が
一層強く感じてなかなか美味しい。
スープが魚出汁っぽさも若干あるせいなのか、
ベーシックな担々麺とは辛味の中の味わいが少々異なり、そこに良質の松の実の
香ばしい香りと甘味が来てストレートな細麺が非常に進む。
小松菜も冬の濃い緑の味がぐっときてこれも麺の味わいのよさに一花添える。
肉はあまりいじらず炒めたベーシックなものであるが、
胡麻はもちろんのこと、松の実や葱等の香りがしっかり起ってきて
始終飽きることなく心地よく頂ける。
一見すると比較的普通の中華料理屋で料理は少々塩の強い傾向があるのだが、
担々麺に関しては独自の香りのバランスが心地よい一品であった。
半ば諦め気味の蚯蚓であったが、もうしばらく根気良く担々麺の経験をつもうと感じた
今日この頃であった。