吾輩は蚯蚓である。夜を昼を様々な街に縦横無尽に出没するたくましい生き物である。
根っからの外食好き"蚯蚓"の食生態フードダイアリー。

2005年05月07日

特別編 〜蚯蚓山口に行く (町歩き編)

本日は町歩き全開である。

山口の商店街の散策を本日も行い、そこから歩いて湯田温泉まで向かうことにした。
気になる茶屋を早速見つけ入ろうとしたが、満席のため諦め
すぐ脇に寿司やという看板を見つけ足を運ぶと、
店で食べさせる寿司屋ではなく押し寿司の持ち帰りの出来る寿司がぽつぽつ陳列されている。

山口 寿司入り口.gif

老夫婦の営むこの店、奥でつくっているようで、店の奥の調理場が雰囲気があってよい。
そこで、穴子寿司を一個購入。行儀悪く歩き食いをして散歩を続けた。
穴子は薄く切ったものを乗せたものらしいが、芳ばしく焼かれていて田麩の甘みと合う。
もっちりと炊かれた寿司飯は酢が効いて具の甘みと融合すると実に美味しい。

山口 寿司.gif

商店街散策を続けると山口県産の有名な日本酒「獺祭」の蔵元と仲の良い酒屋を発見し、
店の自称おばばと意気投合し、ラベルのない、無濾過の珍しい獺祭を勧められ、
東京土産に発送してもらった。
また獺祭のビールがあったので、こちらも行儀が悪いと感じつつも店で頂き、
おばばとの会話を楽しんだ。
日本酒の仕込み水で造られたビールは水の美味しさが感じる香り高く豊かな味のする
地ビールで、よく地元名産を造るために製造した強引な地ビールとは一線を画した
美味しいものであった。

ほろ酔いのまま気分良く湯田温泉まで歩いて出て、人並みな観光もしつつ、
町歩きをしていると、「無角和牛入荷しました」といった手作りポスターが掲げられた、
小さな肉屋を発見。
聞けば、無角和牛は大正時代にアバディーンアンガス種という欧米産の牛と黒毛和牛を
掛け合わせた種で、今では山口県でしか生産されない県を代表する特産品とのこと。
蚯蚓はガイドブックで目にした、見島牛、見蘭牛を今回萩で食べたいと思っていたのだが、
生産数の少なさや萩祭りの混雑期で食べることを断念していることもあって、
この牛を食べることで、せめてもの自分の心の埋め合わせになるかと感じて、
ヒレとロースを少量頂くことにした。

山口 無角和牛.gif

残念なことに、店は精肉専門で、そこでは食べられないので、
後に知人宅に世話になって焼いて食べたが、
ミディアムレアで焼いた際に出る血が爽やかでいて甘みがあって、
これがその肉の美味しさを象徴するもので、脂身の旨味は勿論、
赤身の部分も美味しい牛であった。

そうこうするうちに昼食の時間となり、
既に予約をしていた地元の人の薦めの料理屋へ出向いた。
料亭風のたたずまいで、この店も個室だけのようである。
通された個室は初日の寿司屋ほどのこぢんまりした雰囲気のよい部屋で、
お抹茶で歓待される。

水野 入り口.gif

既に発注してあるコースがまず膳で運ばれた。
花びら風に盛られた鯛の刺身は普通のものより厚めに切られており、
歯ごたえ十分で甘みも旨味もしっかり来て実に美味しい。
揚げ物は筍と海老の入った練り物というかしんじょうを一緒にして揚げたもので、
筍の穂先の甘みや香り、栗のような美味しさとしんじょうの旨味や食感が一度に押し寄せ、
何も付けずとも実に贅沢な味わいで楽しむことが出来る。

水野 はじめ.gif

その他、鯛のお頭と尾の部分を甘く煮付けたものや、
馬鈴薯を餡にしてカニクリームを包んで、
芳ばしい胡麻の甘味噌を一見大根の田楽風にした洒落たものなど、
どれも見た目に楽しく、それでいて味わいが複雑で美味しいものであった。

水野 馬鈴薯椀.gif

帰りも歩いて戻ったのだが、途中酒屋のおばばの薦めの山水園の露天風呂に立ち寄って、
歩き疲れを癒してから山口駅へともどった。
土産を買って、美味しいものを食べ、温泉を堪能するといった、
言葉にするとありきたりではあるが、
人のよいおばばとも出会え、思い出深い充実した一日を過ごすことができた。


本日行った店

押し寿司     風味堂 山口市本町1-4-3
おばばの酒屋   アサヤ 山口市中市6-21
湯田温泉の料亭   水野 山口市葵2-6-41   

posted by 蚯蚓仙人 at 05:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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