吾輩は蚯蚓である。夜を昼を様々な街に縦横無尽に出没するたくましい生き物である。
根っからの外食好き"蚯蚓"の食生態フードダイアリー。

2005年05月02日

特別編 〜蚯蚓山口県へ行く

蚯蚓空を飛び、一路山口県へはせ参じ候

山口市内の知人を訪ねるべく空路で県内入りした次第である。
バスや電車を駆使し、山口県庁などがある山口駅へ到着。
ここを拠点とし、長期休暇中は特別編として記事を書く予定である。

山口駅は1両か2両ほどの電車が行き来する、県庁所在地の割には簡素な場所で、
ビルという建物が基本的に存在しない、平坦な建物の印象を受けるところである。
従って駅に降り立ち、風情ある看板などに目を配りながら、
改札を出るだけで、旅に出たのだ、と実感するのは容易である。

山口駅.gif

早速県の名士が足を運ぶという寿司屋へ。
1階はカウンター席や4人用の個室、2階は大広間となっていて、
どんな来客にも対応できるようになっている。
魚の包丁を振るうのはカウンターの中にいる白灰色の長髪を
後ろで一本にまとめた姿の印象的な親父のみで、
給仕は地元県大生の女性や奥さん思しき人たちで、忙しそうに店をまわしている感がある。

今回は旅ならばということもあって、贅沢にお任せのコースを発注。
早速お通しがきた。

中谷 お通し.gif

お通しは鮪や銀杏の甘露煮で結構甘みがあるが、白髪葱と小口の青葱の両方の香りが
その甘みを断ち切って、そこにビールが良く合い、甘みと苦味の定石のうまさが来る。
お通しをつまむ間に、刺身が来た。
鯛の白身も肉厚で歯ごたえ甘み十分。
サザエも海草をしっかり食べている健康的な味わいのもので、
かむほどに海の潮の味わいと海草の旨みがして日本酒が進む。
サヨリの昆布〆などもあるが、これは東京の凝った仕事の味に慣れてしまっていて、
少々仕事不足な印象がある。

中谷 お刺身.gif

イカは刺身でも頂いたが、出汁と海苔と山葵と小口葱の小皿でも楽しんだ。
小皿の方は一瞬湯通ししてあるのか、甘みや弾力が一層強く感じる一品。
天ぷらのアナゴは小ぶりではあるものの、肉厚で歯ごたえが良く旨みが強い。
江戸前も美味しいが、それに勝るとも劣らない美味しさがあり、
山口のアナゴの美味しさは蚯蚓の新しい発見となった。

中谷 アナゴ天.gif

特筆すべきは醤油である。
おそらくこれはこの店独自ということではなく、この地方全般に言えることなのだろうが、
甘みや旨みを強く感じる醤油で、少々クセの強い刺身でもこの地域の醤油を使うと
そのクセが良い方向に転じたり、程よく緩和されたりして結果的に美味しくなる。

濃い口の味に引っ張られすぎると、口が飽きたり、
魚本来の味わいの微妙な差異がわからなくなるなどして、いささか歯がゆい気持ちになるが、「この魚はどんな味で・・・」という体言化する意識を捨てて、
うまいものをただただ旨いと堪能する場合にはうってつけである。

ということもあり、普段塩で天ぷらを食べることの多い蚯蚓も、
軽く塩で頂いた後は、その醤油で作られた天つゆで穴子のみならず野菜までも
しっかり頂いてしまった。

しかしながらこの醤油を用いて甘辛く仕上げてあるメバルの煮付けは
生姜の辛味で甘みを引き締めるといったことなく甘みが更に加えられており、
甘味の苦手な蚯蚓には食べづらい感があったが、
メバルの身が鯛のような香りと引き締まった身の食感でなんとも絶妙においしくて、
煮汁を避けつつも、結果的に一匹夢中になって食べてしまった。

中谷 メバル.gif

〆のにぎりは江戸前や流行の繊細な寿司を食べ歩く蚯蚓としては、
穴子のツメの甘さも手伝って、記事にするには辛口になってしまうところである。
しかし魚や醤油の素材の良さ、具沢山の茶碗蒸しなど、
この旅での興味深い発見を予感して、おもわず見知らぬ町の夜道を散歩してしまった。
そのような少々贅沢な旅のはじめに相応しい店である。


本日訪れた店
寿司 「中谷」
場所はここです
posted by 蚯蚓仙人 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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