言問通りより北側、浅草5656(ごろごろ)会館裏手の一帯は、
モザイク状に小料理屋だの一杯飲み屋だの寿司屋だのと飲食店が存在する地域である。
浅草駅からも三ノ輪からもいささか遠いこの地域は、それでも食べに来たいという店が
ひっそりと存在しているのではないかという気持ちで、蚯蚓は目下散策をしている地域である。
比較的有名な釜飯屋の手前の喫茶店風の店が良い匂いを漂わせていたため、
入ってみることにした。
中はカウンター席と奥にテーブル席が2つほど。
手際の良いおかみさん一人で給仕を行い、主人が厨房で料理をするこぢんまりとしたところ。
タンシチューやハヤシライスが実に美味しそうなのだが、
人形町から端を発して色々食べているハンバーグを発注。
程なくして皿が来た。
目玉焼きの下に隠れるハンバーグは普通のイメージより一回り大きく、
一口食べると合い挽きの挽肉の食感がしっかりくる。
デミグラスソースはさらりとしていながら、
肉に絡ませていただくとくどくなく程良いコクで頂くことが出来る。
ライスは別料金で発注するのだが、それと共についてくるぬか漬けが実に美味しい。

正直ハンバーグは蚯蚓の理想とするものとは異なるものの、
さらりとしている割に味の深みを感じるソースの感じからして、
隣客の発注するハヤシライスやらタンシチューが美味しいのかもしれない。
次回この店を訪れるときは、それらのメニューを試してみたいところである。