中華料理屋が乱立するこの京成立石で夜になるとひっそりと電気がつき開店し、
しかしながら時間帯によっては行列の出来るラーメン屋が京成立石駅からほど近い、
線路沿いにある。
ラーメンガイドブックに載る京成立石の店というと大抵この店と言って良い程で、
店の中にはラーメン評論家の石神氏の色紙等、有名人の色紙が目にとまる。
有名なのは香味ラーメンであるが、本日はベーシックなラーメンを発注。
魚系の出汁を強く感じるしょうゆラーメンは揚げニンニクの香りと相まって素直に美味しい。
この今ではベーシックとも言える味わいのスープに、やや太目の柔らかい中に、きちんとした
もちっとした食感のみらず、つるっとした滑りの良い麺が実に良く合う。
別発注の煮卵は程よい半熟で、黄身までしっかりと醤油風味が染み渡り、
これを一かじりして麺をすすったり、嫌味のない塩っこい味付けのチャーシューを
一かじりしてスープを飲んだりする間に、ちょうど良く一杯を食べ終えられる。

このお店の定番メニューにはお粥もあって、それもまた美味しいのだが、
それは別の機会に記事にしたいと思う。
この確信犯的なベーシックな味で客をひきつけつつ、新メニューの開発にも情熱を注ぐ
店主のラーメンへのひたむきさは、この店が飽きられてしまうことなく客を惹きつけてきた
要因とも思える。
客も店も熱い、競争の激しいラーメン市場では、
スープのカテゴリーやバリエーションが日々開発され、多くが淘汰される中、
生き残った味が「ベーシックな味」として市場で定番化されていくが、
この店はたたずまいはひっそりとしながらも、その淘汰の波に負けない勢いを感じる店である。