人形町交差点にあるカフェの裏手の路地を少し歩いた半地下にこの店はある。
人形町ではイタリア料理で記事にしたくなるような店が正直発見できておらず、
目下探索中である。
店に出ている看板から察するに本格的までは行かないけれど、
美味しいと良いなという期待と、千歳烏山のように美味しいグラスワインを飲める店を
探しているという2点で入ってみた。
アマトリチャーナがあるということで、早速発注。程なくして、皿が来た。
アマトリチャーナというと、塩漬け肉の風味から始まって云々、というところだが、
肉は薄塩のおいしいベーコンで、パスタもデチェコの太めの乾麺を使っているような印象を受ける。
しかし、皿から来る最初の香りが実によい。
一口食べると唐辛子の辛さではなく冷たい良い香りが印象的である。
それが、よくあるしっかりと煮込んで濃厚にした奥深い方向のソースとも異なるし、
フレッシュなトマトの酸味を利かせて風味に層を持たせているのとも異なり、
もともとトマトのもつさらりとした甘みがストレートに美味しく出ているように感じて、
また胡椒が強めではあるものの全体をひきしめるのに良い役割を果たしていて、実に旨い。

トマトのサラダも発注したが、やはりこのトマトも美味しいし、
周りの葉物も酸味でさっぱりとというより、甘みが程良く美味しい甘酸っぱい
ドレッシングでまとまっている。

カフェ風のこのお店は、本格的なワインやパスタの店ではないが、
このトマト扱いの良さなど味のまとめ具合がうまく、
内装だけきれいな店とは一線を隔した店で、今度は他の料理も気軽に食べに行きたいところである。
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