ここの海鮮冷やしが大好きな蚯蚓は、下北沢を訪れることが多かった時分、
この店に多々足を運んでいた。
久しぶりに訪れた下北沢で「あったらいいな」と閃いて足を運んでみたのだが、
当然のことながら、季節はずれの為メニューになく、別の皿を発注することにした。
トリソバが有名なので、これもいつも食べたいと思ってはいるものの、
1400円のフカヒレ麺を発注。
このフカヒレ麺、高級食材であるフカヒレそのものに惹かれている訳ではなく、
この皿のまとまり具合が印象的で、久しぶりに来た蚯蚓としては冷しの無い今
その記憶の掘り起こしがしたくなったのだ。
先にちょこちょこ発注したものをつまんでいると、いよいよフカヒレ麺がきた。
ここのフカヒレ麺は餡が非常に重要な役割を果たしていて、スープを濁さず、
軽く麺と野菜を堪能した後、餡と麺を絡めるようにしつつ野菜をつまんで食べると、
野菜は程良い葉物の青いほろ苦さと旨味のある甘辛い醤油
(片栗でとろみをつけた堅焼きそばの餡の甘辛系の風味に似たもの)のスープとさらに、
餡の滋味深い甘みとが融合して、濃いお抹茶と美味しいコクのある出汁醤油の甘辛い菓子を
堪能したような心地にさせてくれる。
また、しばらくしてスープの染み込んだフカヒレを思い切りほおばって、
また麺や野菜で愉しんで、またフカヒレをほおばって、とくり返すと、
二品堪能した気持ちで実に美味しく瞬く間にいただける。

その他本日先につまんだイカと葱の炒め物もオイスターソースのような香りと醤油のコクと、
葱の香ばしさと甘みと透き通りそうな白いきれいなイカのとろっとした感じが融合して、
食感、香り共にバランスよくいただける。

この店の給仕の人は変わったと蚯蚓は思いこんでいたので、
前の方はどうしたのかと尋ねたのだが、実は同一人物で、そのようなことから話が広がって、
終いには冷やしの始まったときに連絡を頂くこととなった。
風味もさることながら、口当たりの優しい食感も考慮されているこの皿たちは
優れていると蚯蚓は感じている。
冷やしの連絡が来たら、早速足を運び、逐次今回記載しきれなかったバランスのよい料理を
堪能し、記事に出来ればと思う。