この店は甘酒横町から2,3本小伝馬町寄りの筋にある店なのだが、半年くらい前から開いた新店である。
宮崎の地鶏と焼酎が美味しい店というからには宮崎出身の人が営んでいるのかと思って、
焼酎が気になって入ってみた。
男性一人とそのお母さん風の方、バイトの女の子の計3人でカウンター中心の店をまわしているようで、
店の広さに対し、この人数ということで、手際はあまり良さそうにない印象を始め受けた。
とりあえず、ビールと地鶏の鉄板焼きを発注する。
この店が面白いのは、地鶏を”宮崎地鶏”と”日向地鶏”の2種揃えているところである。
この2種を半分ずつ発注することが出来ると言うことで、鉄板焼きはそのようにして発注。
お店の人はなかなか親切である。
柚子胡椒の香りがよいお通しをつまむ間に、地鶏の焼いたものが来た。
宮崎地鶏は肉自体に甘い肉の旨味があって美味しい。

これに対し、日向地鶏は宮崎地鶏に比べて肉の弾力が強いのだが、
噛めば噛むほどにほんのりと野生の旨味が出てきて、これとビールやら焼酎がよく合う。
この日向地鶏にはかなりこだわりがあるらしく、
仕入れの際、鳥を育てる農家を時期によって変えたりしているそうだ。
更に、レバーの串焼きを発注したが、美味しい焼鳥屋のレバーを凌駕する
口溶け感と甘みと美味さがあってこれだけを食べに来る価値があるような気持ちになる。

話をするとこの店の人たちは宮崎の出身ということもなく、3人ともここの界隈の人間で、
この店は最近できた店であるとか、ここの人は馴染みだとか本当にこの町をよく知っている。
またバイトの女の子は実は甘酒横町の有名な居酒屋の愛娘で、
その酒の肴の話などでも非常に楽しく話が出来た。
そんな店の人との地元の会話を愉しみつつ、リーズナブルに美味しい鳥を堪能できる店を
人形町で初めて知ったこともあり、今後も足を運んでみたいと思う。
鳥肉についてはこれからも色々な記事を書く予定ですので、
よろしくお願いします。
焼き鳥屋が一番美味しい鶏肉を扱うというイメージは、
最近蚯蚓の中では崩れつつあります。
肉のジューシーさの意識が薄いお店が多いように感じます。
それはそれで美味しいのですが。
だからこそ食べ歩きはたのしいですね。