大通り以外を除くと背の低いビルや住宅がひしめくブロックにひっそりとこの店はある。
斜面に建てられている為、坂を上った2階がどうやら入り口のようで、
そのフロアで食事もすることになる。
店の中は白を基調とした内装で、外観より案外広い。
夜はプリフィクスのコースのみ。
ミミズは春野菜のサラダやエゾ鹿のラグーソースのパスタ、鰆、仔牛の皿を発注。
店はほぼ満席でワインやパンの世話をしてくれるサービスマンの人間も
2人では追いつかない位である。
シャンパンなどを愉しんでいると、ほどなくして一皿目が来た。
春野菜のサラダはミミズの好物のウドやセリ、うるいやノビル、菜の花、ゼンマイといった
日本酒でも合いそうな山野草をうまく酸味の軽くきかせたドレッシングでいただける。
エゾ鹿のパスタは烏山の店よりパスタが薄く、肉も細かくなった挽き肉状になっているので
軽い食感にも関わらず、コクのある脂っ気が舌に残る印象があるせいか、
ややまとまり感には欠けるものの、十分に美味しい。
パンはほのかにチーズ香がして少し水分が足りない感じもするが、なかなか素朴で美味しい上、
肉の皿に合わせてリピート発注をしたところ胚芽パンに切り替えてくれるなど、
飽きさせない心遣いが嬉しい。
仔牛は焼き加減に難があるものの素材の良さで十分美味しくいただけた。
新店でまだキッチンの要領を得ていないせいなのか肉に関してはもう一息といいたいところであるが、
また季節の変わった頃足を運んでみたくなるお店である。
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