このおでんやは東京一旨い焼酎を出す店として、
蚯蚓がこよなくひいきにする店である。
久しぶりの来店なのだが、メニュー数が以前よりずっと多くなり、
目移りするものの、結局久しぶりなだけに気になる定番の油揚げ焼きを発注。
おでんはとうふやらしらたきをとりあえず発注。
焼酎は無論、水割りの店主のおすすめからである。
とうふは本日はしっかりした豆の風味と出汁が絶妙の滋味深い味わいの一皿で、
たまに出るおぼろのとうふのおでんも食感、風味とも良いが、
水割りのきゅっと口に含んだ後の
このおいかけで食べる熱いとうふはこれに限る。
油揚げ焼きは厚揚げほどの厚みのあるふっくらした油揚げを
表面がカリッとなるように焼き、それを辛味の残る薬味の葱とかつおぶしで頂く
香ばしさの中に薬味の香りが口中に広がる一品。
これは蚯蚓の好物で、ひとりで一皿さらりと頂ける。
行儀は悪いが、おでんの皿の残りつゆに浸して食べても旨く、
ともかくこの店に来たら、一度は口にすべき定番品と言って過言ではない。

そうこうするうち、客が数回転し、見慣れた顔に出会ったりする。
この店は主人の人徳なのだろうが実に酒とのつきあいの上手な、
だけど気張らない客が多く出入りしている。
従って、この夜初めてあった隣席の客とも楽しく会話が出来、
おのずと蚯蚓自身も心地よい酒が飲める。
この記事を読んでいただいている方にも新たに出会い、
最近記事を書くことから遠のいていた己の怠慢さに恥ずかしさを覚えながらも
襟を正して、再び記事を書こうと思った夜でもあった。
この店の心地よさを書くつもりが己の戯れ言になってしまったが、
今後何度となく訪れるであろうこの店の記事なので、
その他の皿についてはまたの記事にしたいと思う。