休日の街全体の印象は東京よりも活気があるのでは、と一瞬感じるほどの盛況ぶりで、
一泊二日の小旅行では満足しきれない程の、気になる店、料理だらけである。
ここはひとつ初心者らしく観光ガイドブックを片手に老舗ひつまぶしを食らいに
車を飛ばし、苦手な行列にもそれらしく並んで、店へ入る。
旅館とも言うべき大きな日本家屋の座敷部屋に通され、
流れに任せてひつまぶしと白焼きも発注。
はじめに白焼きが出された。

表面が薄いきつね色に焼かれた白焼きは、その表面に味醂が塗られているのか
サクッという食感と甘味がふんわり口の中に広がり、そこに芳ばしい香りがきて、
非常に旨い。
生姜の少し入った塩のタレにつけて食べるのも一興だが、そのままでも十分に旨く
この白焼き、東京のものではあまり口にしたことがない焼き物である。
鰻は結構大振りな肉の厚みもほどほどにあるもので、肉の旨味もきてなかなか。
初めてのひつまぶしは、「はじめそのまま頂き、2杯目は薬味を、
3杯目は茶漬けに・・」などとお品書きに書かれた指示のもとに頂いてみた。
さらりとした甘味が旨いタレの鰻は最後の出汁をかけた茶漬けにすると
その鰻が持っていた香りや脂の旨味がどこからともなくあふれ出てきて、
これが一番印象に残る。
一緒に出される吸い物も塩のきつくない、とろろ昆布風味の品のいい味で美味しい。

正直、ひつまぶしのタレのきいた鰻より、白焼きで頂いたほうが
鰻本来のおいしさとほのかな味醂様の甘味が、ぐっと来て蚯蚓個人は好みであった。
とはいえ、そのタレの方の鰻の茶漬けは確かにその鰻の底力を広げる食べ方で、
実に良い食べ方であると感じた。
その他、宿近くの中心街で頂いた、味噌酢で頂いたところてんや手羽先など、
名古屋独特の食文化を短い時間ながら垣間見ることができた。
以外に東京から出向きやすいことも分かったので、今後は機会を見て、
名古屋食い倒れ特別編を記事にしたいところである。
この店の場所はこちら