人に誘われ、銀座では比較的新しい蕎麦屋へ出向いた次第である。
畳を連想させるデザインの階段を降り、地下にその店はある。
中は和風モダンな造りで、カウンターもある洒落た内装で、女性客が目立つ。
早速メニューを見るとワインや焼酎など酒が豊富にあり、つまみも充実している。
せいろの蕎麦は1日限定10食の田舎系と感じさせるものと、更科の2種。
最近鴨なんばんに執心の蚯蚓は鴨なんばんはないかと聞くと、
温かい蕎麦は無いという。メニューを見れば見るほど、時流の蕎麦屋である。
とはいえ、鴨のつけ蕎麦があるということで、産地表記もされた鴨に
興味も湧いてそれを発注した。
程なくして皿が来た。
蕎麦自体をつまんで食べたが、繊細なほのかな味わい。
これに対し、鴨のつけ汁は胡麻の香りもしっかりとしたつゆで、
香ばしく皮目が焼かれた鴨肉が沢山入っている。
汁や鴨肉の旨味と香りで蕎麦をすする感覚で、蕎麦は負けてしまっている
バランスの面から行くと最近の蚯蚓好みではないものの、
汁の旨さが充分に感じられる一品。

ちなみに通常の更科蕎麦の汁は、連れから蕎麦湯を飲む際に
頂くと、風味を増す為の重ねた梅の味わいのある汁でなかなか。
辺りを見渡すとビールや酒を片手に、地鶏のから揚げなど、
つまんで飲んでいる客が目立つ。
そのつまみが小奇麗に盛られ、実に美味しそうである。
今回は蕎麦やとしてこのお店を訪れた蚯蚓であったが、
以前記事にした千歳烏山の蕎麦や(詳しくは4月10日の記事参照)
と同じ傾向のつまみの旨い蕎麦やという印象を
受けたので今度これを確認しにまた訪れたいところである。