旧甲州街道沿いの大きなバス停から調布方向へ数十メートル歩くと、
赤い看板がビルにぶら下がっているのが目に付く。
見下ろしてもそこが店の入り口ではないので、一瞬戸惑うが、
少し路地に入ったそこが店の入り口となっている。
入ると山小屋のロッジを彷彿とするつくり。
ビールや日本酒など酒の種類は非常に少ないが、この店は持ち込み可能なので、
好きな酒は自分で持ち込むことになる。
とりあえず、ビールを発注。程なくして瓶ビールが来る。
蚯蚓はこの店だと比較的人と連れ立ってくる為、
特にリクエストすることなく漬物、小鉢ときて、刺身の皿が来て、いよいよ
机が賑わって思い思いの食べたいものを突付く感じになる。
刺身など、魚が旨いこの店ははずれはなく、逆に特筆すべき旨いものが必ずある。
今回はトリ貝。食感だけで味気ないのとは違い、旨味と甘味がグッと来るうえ、
アオヤギのような貝の風味が乗ってきて実に良い。ヤリイカも濃厚で甘味がのって、
噛むほどに旨い。
旨い刺身はやはりこうやって甘味も旨味も噛むほどに乗ってくるものだと改めて実感する。

本日は続いてちくわの揚げ物が来た。
一見すると給食で出たような青海苔のちくわの揚げ物に見えるが、
食べると全然違う代物である。
この青海苔思しきものは生海苔の青さで、一口かぶりつくと
ふんわりとろっと感がありながら、さくっという食感もあり、
さらにちくわ自身の食感もあるので、食べて楽しく、それでいて
実に風味豊かでビールと良く合う。止まらない旨さである。
小鉢はマグロ納豆。ここの店の凄いところは、ほぼ毎度葱も旨いのだ。
もし食す機会があれば是非意識して味わっていただきたい。


今日はあまりに店が混みすぎて長居しないのを条件に急遽予約して入ったこともあり、
その他ほっけの焼いたもの程度で、済ませて出てきてしまった。
しかし、リーズナブルでいながら、美味しくいただけるように
旬の魚を出してくれるので、安心して舌を任せて、
出てくる料理で至福のひと時を過ごす事が出来る。
あまり遅い時間までやっていないのが残念であるが、
烏山には時間をずらして二軒目、三件目・・・と飲める店がある。
一軒目という意味でも、食べる事においても、ここは良い店である。